自分でアイデアを出して、本文に肉付けしていく作業はとても楽しいものです。しかし、アイデア出しに行き詰ることはこれから頻繁に起こってきます。アイデアは自分でひねり出すことも必要ですが、すでにアイデアがあふれている既存の小説の存在があります。
盗作に発展するような行為は絶対にNGですが、言葉の表現や場面の展開の一部を借用したりすることはできます。
また、アイデア出しに行き詰ってしまった場合の対処についても解説していきます。そのほかにアイデアを出した場合のより効果的な活用方法、行き詰まりを解消するためにリラックスする方法も紹介していきますので、ぜひ実践してみてください。
アイデア出しの方法・ポイント
作家の作品、評論などを読む習慣をつける
物書きに従事する者、業界の事情や他の作家がどういう書き方をしているのかということにアンテナを張っておくことがまず重要になってきます。お気に入りの作家でも結構ですので、他の作品を読んでおく習慣はつけておきましょう。
小説家は書くばかりではなく、他の小説家の作品を研究・理解しようと本を読んでいる方がほとんどです。読んでいる段階で、次に示すことで気になるところはポストイットやメモをするなどしてわかるようにしておき、あとで使用することについて検討し、言い換え辞典などを使って自分なりの表現に修正してアイデアとします。
●気に入った文章、表現
●話の流れや展開
あざやかな切り口を大切に
淡々とした地の文だったり、人が普通に会話するような展開はありきたりな作品となって、あまり読まれてもいい印象を持たれるようなことはありません。普通では起こらないような主人公の境遇を示したり、ハプニングを入れたりすることで、ハッとするようなアイデアの挿入が読者の好奇心を誘うことになります。
独自のユーモアや涙を誘うアイデアも感情を揺さぶり、面白さを引き立てることにつながります。
コンセプト、ストーリー、主人公、世界観の構築
小説全体の構成を考えるときに、物語を通じて何を伝えていきたいのかを考えておくことが根底になければなりません。つまり、おおまかなストーリー、主人公の設定、物語の世界をかたちづくることからまずアイデア出しをするようにしてください。細かいアイデアも思いついたときは並行して、創作ノートやメモ機能にストックしていきます。
これらの積み重ねたネタそれぞれが、あとのプロット作成に役立つことになります。
名案はふとしたときに思い浮かぶ
書く作業をしているときでななく、意外なときに自分でも感心するほどの案が思い浮かぶこともあります。小説を創作するのは何も机に向かっているときだけと思わずに、生活のなかで活用できると思ったことは創作ノートに書き留めていくようにしましょう。
思いついたアイデアは実は本文に反映するにしても、すぐにしないほうがいいのです。思いついたらアイデア帳にネタをストックしていき、ときどき見返して修正を心掛け、困ったときに見る習慣をつけておくと、そこから磨きのかかったネタとして採用していくことができます。本文に挿入する場合は表現を付け加えるなどして、肉付けをしながら文章を整えていきます。
日頃の発想力をフルに活かして、アイデアに迷うことのない充実した創作活動に励んでください。
アイデアは寝かせてから修正するとさらに洗練される
机に向かっているときに湧いたアイデアは、ストーリーや情景描写の表現を考えながら本文に加筆していけるわけですが、ほかのことをしている最中にアイデアが浮かんだ場合には、そのまま本文に反映することはおすすめしません。前の見出しでも説明しましたが、そのようなときは、一旦、アイデア帳に手書きで書き込んで整理しておくか、スマートフォンのメモ機能に保存しておきます。
そして、1日、2日置いてから再度見返してみます。すると意外にも思い浮かんだときとは違った印象を受けるようになり、いろいろと修正してみたくなるものなのです。
【例】 感情を揺さぶる文学、心に沁みる音楽
➡ 感情を揺さぶるに触れる文学、心に沁みる刺さる音楽
このように、一部の表現に違和感を感じたら修正をかけていきます。思いついた段階ですぐに小説の本文に加筆することはしなくても大丈夫です。決して焦る必要はありません。少し時間を置いてから冷静に考え直して、修正してから採用するかどうかを決めましょう。
よく歩いている最中に、無意識に絶好のアイデアが浮かぶことがあります。そのアイデアはスマートフォンのメモ機能に断片的であってもすぐメモをしておき、翌日に見返して気に入らなかったらボツにしたり、ストーリーの路線変更や表現上の手直しなどをしています。そして、少ししたら再度見返して違和感がなければ、小説のネタとして採用するようにしています。
アイデア出しに行き詰ったときには?
調子が上がらなかったり、集中力の途絶えなどからくる書く作業の停滞は必ずと言っていいくらいに起こります。作業する気になれないことも生じてきますし、いくら頭をひねってもはかどるようなことはありません。そういうときは思い切って作業を一旦、切り上げましょう。
切り上げあとは昼寝をするのもよし、ほかに好きなことに取り組んでもいいですし、外に出てみるのも、気分が上向きに変化してきます。
ほかのことをしていても、小説のアイデアは無意識のうちに発想することができます。そうした機会は不意にやって来ますので、逃さずにしっかり捉えていくようにしましょう。
書く作業に行き詰まることは自分にも頻繁に起こります。集中力が途絶え、ある程度の作業後に思考力がまったく無くなると、ためらいなくすぐに切り上げています。
その後は軽く首を回したりストレッチをすることもありますし、台所に移動して水を一杯飲んだりしています。気分転換に少し部屋を片付けたり、読書をしたりとしたいことに取り組みますが、本当に疲れてしまった場合には、昼寝を2時間くらいしていました。その後はスッキリとした気分で、また次の作業に取り組むことができています。
「散歩」はアイデア出しや気分転換に最適
もうひとつ、アイデアを出しやすい行動として「散歩」をすることがよいといわれています。小説家に限らず、作家や画家、作曲家などの創作に携わる芸術家の方、またクリエイティブな仕事をしている方はよく「散歩」をしています。
いつも駅まで急いで電車に間に合わせるために、急ぎ足で歩いている道のりであっても、意識や視点を変えて道端の風景やすれ違う人、商店街の様子などに目を向けてみるのです。おそらく今までの印象とはまったく違った様々なことに遭遇するはずです。
散歩には様々な効果があることが検証されていますが、よく言われていることが次の3点になります。
新たな発見をすることができる
家の近隣や散歩のコースを開拓して心を落ちつけてゆっくりと歩いてみると、様々なことに遭遇します。どんな些細な事でも、そのものの本質や状況を見つめ直すことで、自然の美などが見えてくるものです。例えばですが、
●道端に見事な芙蓉の花が咲いていて、印象に残った。
●商店街の初めて入る中華料理店のラーメンがとても美味しくて、また来店したくなった。
●近所の顔見知りと出会い、しばらく話し込んでいたら、その人の意外な一面を覗くことができた。
●空を見上げていたら、動物のかたちをした雲が浮かんでいた。
このような些細なことでも、小説の地文や会話に挟むことができたりするものもあるわけです。
気分転換・ストレスの発散
身体を休めて睡眠をとることだけが、疲労感を抑えることにつながるのではなく、身体を動かすことで気分がスッキリとし、気持ちをリフレッシュすることができます。ウォーキングをするだけでも、ストレスから解放されるようになります。
体内のリズムか整う
特に朝や午前中に習慣づけて朝日に当たりながら「散歩」をするようにすると、一日の生活が規則正しく生活できるように体内のリズムが整ってきます。朝日を浴びるとストレス軽減につながるほか、免疫力が高まったり、リラックスできる効果が期待できます。
ほかにも朝日を浴びながら「散歩」をすると、科学的に健康に良い事例が下記のサイトに掲載されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
仕事がオフの日は、朝起きて朝食を食べてから必ず散歩に出かけます。朝の気持ちのいい時間帯にたっぷりと朝日を浴びて歩き、神社を参拝したり自然のなかに飛び込んだり、あるいは商店街を歩いで新しい発見の機会を得ています。
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